Research

私たちは細胞内に存在する機能性RNAの機能や発現の制御に興味をもち、それらの詳細な分子機構を明らかにする研究を行なっています。

私たちの細胞にはタンパク質へ翻訳されないRNAーノンコーディングRNAーが数多く存在することがわかってきました。これらのRNAは多岐にわたる遺伝子の発現を制御し、細胞分化、発生、がん化などの多くの高次生命現象発現において重要な役割を果たしていることが明らかにされています。ノンコーディングRNAの機能不全や発現制御の破綻は、がんをはじめとする疾患の原因となることも報告されてきています。

私たちの研究室ではノンコーディングRNAの発現や機能を制御するRNA生合成因子ーRNA biogenesis factorsーやRNAに作用するタンパク質に注目して研究を行なっています。私たちはこれらの因子によるRNAの代謝や機能制御の詳細な分子機構を、分子生物学、生化学、遺伝学、構造生物学手法(X線結晶構造解析、クライオ電子顕微鏡)を用いて解析を進めています。私たちはこれまでノンコーディングRNAの機能や代謝を制御するRNA修飾酵素、RNA分子に作用する酵素、ウイルスRNA合成酵素などについて、これらの酵素の詳細な反応分子機構や制御機構を明らかにし、その成果を世界トップレベルの雑誌に発表してきました。

私たちの研究室では博士号取得を目指す学生の研究室への参画をお待ちしています。RNAの生合成、機能制御に関する質の高い基礎研究に興味があり、世界で最初に未解決の問題を明らかにし、世界トップレベルの科学雑誌に研究成果を発表したい野心的な学生を歓迎します。サイエンスに没頭して、知的興奮を私たちと一緒に共有できる優秀な学生をお待ちしています。また、興味のある学生は、電子メールにてあらかじめご連絡ください(電子メール等連絡先は研究室HPを参照にしてください)。研究室訪問等随時対応いたします。「世界のだれもが来たくなる研究室」を目指します。

プレス発表

参考論文

Nature Communications 14 , 2023; Nature 605, 372, 2022; Cell Reports 37,110130, 2021; Nature Communications 11, 2020; Nature Communications 10, 1960, 2019; Structure 27, 476, 2019; Nature Chemical Biology 14, 2010,2018; Nature Communications 8, 15788, 2017; Structure 24, 918, 2016; Structure  23, 830, 2015; Structure 22, 315, 2014Structure 20, 1661, 2012Nature Structural & Molecular Biology 19, 229, 2012Structure 19, 232, 2011Proc Natl Acad Sci U S A. 107, 15733, 2010EMBO J. 28, 3353, 2009EMBO J.  27, 1944, 2008;Nature. 449,867, 2007EMBO J. 25, 5942, 2006;Nature. 443, 956, 2006Nature. 430, 700, 2004 ;EMBO J. 22, 5918, 2003; Cell. 111, 815, 2002; Science 294, 1334, 2001.